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現地の言語を話す人材を採用する前に、海外市場へ売る方法

リアルタイムAI通訳を使えば、チームに話せる人がいない言語でも商談を進められます。市場参入における「言葉の壁」は解消できますが、「市場固有の壁」は残ります。海外展開のボトルネックがどちらにあるのかを見極める方法を解説します。

社内にその国の言語を話せるメンバーが一人もいなくても、海外市場向けに営業商談を行うことは可能です。リアルタイム通訳を使えば、約1秒のタイムラグで双方向の会話が成り立ちます。ただし、通訳ツールが代行してくれない領域もあります。「誰に電話すべきか」「誰を信頼すべきか」「商談の場に誰を同席させるべきか」といった、会話を取り巻く背景情報です。

そのため、本当に考えるべき問いは「ツールが機能するかどうか」ではなく、「ビジネスを阻んでいるのが言葉なのか、それとも市場の壁なのか」という点にあります。

何が変わったのか?

かつて、新しい市場への参入は採用から始まっていました。現地の言語を話す営業担当者を見つけ、自社製品について教育し、成果が出るのを祈りながら待つというプロセスです。

この手順には、誰も見積もっていなかった見えないコストが存在していました。ドイツの製造業が自社製品を求めているかどうかを知るためには、採用し、オンボーディングを行い、現地企業へヒアリングするためだけに雇った担当者の立ち上がりを待つ必要があったのです。つまり、賭け金を支払った後でなければ結果がわかりませんでした。

リアルタイム翻訳は、参入の難易度そのものを変えたのではなく、その「順序」を変えました。生きた会話の間に入り込めるほど高速になり、常時起動しておけるほど手頃な価格になったのです。都度予約が必要なツールは「重要な商談」のために温存されますが、常に動いているツールは「受ける商談の数そのもの」を増やします。

一方で変わらないものもあります。サンパウロでどの展示会が重要なのか、あるいはフランスの購買プロセスが8月に停滞する理由などは、どれほど優れた翻訳レイヤーであっても教えてくれません。

現地採用が求人票の想定以上に難しい理由

現地での採用が完全に正しい選択肢となる場合もあります。ただ、計画上では単なる「給与」として計上されがちです。しかし、給与はコスト全体の小さな一部にすぎません。

The Bridge GroupによるB2B企業158社を対象とした2026年の調査によると、アカウントエグゼクティブ(AE)が戦力化するまでの平均期間は6.2か月と、過去最長を記録しています。採用期間も含めると、その市場で自社製品に需要があるかどうかが判明するのは、およそ8か月目になります。

さらに、戦力化期間の数字には表れない問題もあります。

トップ営業のスキルは複製できない。 常に高い成約率を誇る担当者は、単にスクリプトを読んでいるわけではありません。何百回もの反論を経験し、わずか90秒で商談の見込みを見極められます。これは経験に裏打ちされた「判断力」であり、一般的なオンボーディングで簡単に伝承できるものではありません。新しく採用された担当者は、支援するためのデータが何もない市場で、その感覚をゼロから再構築しなければなりません。

聞き取れない会話は評価できない。 現地市場との接点がその担当者1人だけの場合、すべての商談はブラックボックス化します。進捗確認は本人のパイプライン報告に頼るしかなく、社内にその言語を理解できる人がいなければ商談録画を聞き返すこともできません。たとえ商談がうまくいっていなくても、それに気づくことすら難しいのです。

採用か、通訳の手配か、それとも自社で進めるか?

選択肢を整理すると、以下のようになります。

現地で採用自社で直接対応
初回商談までの期間8か月以上数分
製品理解度ゼロから再構築自社のエキスパート
5つ目の言語新たな採用が必要同じプランのまま
現地市場の知見ありなし
現地に人がいることありなし

太字で示した2つの行こそが本質です。現地採用によって得られる価値は、他の手段では代替できません。したがって考えるべき唯一の問いは、「その市場で自社に不足しているのが、本当にこの2点なのか」ということです。通常、それは実際に自社で商談を行ってみることで見えてきます。

3つ目の選択肢としてプロの通訳者を雇う方法があり、契約締結や公式な交渉の場では今でも最適な選択です。ただし、通訳者の費用はイベント単位で設定されています。2026年1月発効の国連とAIICの規定によると、米国における短期会議通訳者の料金は日額836米ドルであり、AIICは同時通訳業務を原則2人1組で行うと定めています。このコスト感は基調講演なら成り立ちますが、週に11回ある初期商談(ディスカバリーコール)には適していません。それぞれの比較については、AI通訳が人間の通訳を超える場面で詳しく解説しています。

「英語で話してくれるのでは?」という疑問

英語で対応してくれる相手も一部にはいます。しかし、「相手も英語を話すだろう」という思い込みは、最も静かに商談を失う原因になります。失敗が表に出にくく、単に「興味を持たれなかった」ように見えてしまうためです。

EFの英語能力指数(EPI)には、国別ランキング以上に重要なデータが示されています。調査対象国全体において、4技能の中でスピーキングが最も低いスコアになりやすいという点です。多くの人は、話すことよりも読むことのほうが得意です。

これを営業の商談に当てはめてみてください。相手の担当者は、料金ページやセキュリティ資料を英語で難なく読み進めることができます。しかし商談が始まると、条件の交渉を行ったり、提示された金額に反論したり、社内プロセスを説明したりといった高度なやり取りを、上司の目の前で、最も不得意なスキルを使ってリアルタイムで行わなければなりません。

商談が目に見えて決裂するわけではありません。相手の発言が減るだけです。話を早く終わらせるために曖昧に同意し、説明に時間がかかる懸念事項を飲み込み、成約に必要な条件を引き出すための本音の反論をしてくれなくなります。その結果、商談は失注し、CRMには「連絡途絶」と記録されることになります。

実際の商談はどう進むのか?

自社が英語を話し、相手が日本語を話す商談を例に挙げます。

  1. 事前に招待状で伝える。 「各自が母国語で話せるよう、リアルタイム通訳を使用します」と1行添えるだけです。追加コストはかからず、英語を話せないキーパーソンも気兼ねなく同席できるようになります。

  2. 分割画面を開く。 Neweyのミーティング通訳モードは、自分の発言を相手の言語で出力し、相手の音声を自社の言語に翻訳して戻すという双方向の処理を同時に行います。ブラウザの共有タブから相手の音声を読み取るため、デスクトップ版のChromeまたはEdgeを使用し、タブ内で会議に参加します。

  3. その画面を商談で共有する。 ここが見落とされがちなポイントです。自分だけが聞くイヤホンのような使い方ではありません。画面を共有することで、相手側も追加のインストールなしでリアルタイムに字幕を読めるようになります。双方が同じテキストを確認できるため、誤訳やニュアンスのずれにもすぐ気づけます。

  4. 事前に用語を登録しておく。 製品名や業界特有の略語は、一般的な自動翻訳が最も誤訳しやすい部分です。用語集(グロッサリー)に登録しておけば、自社の指定した表記に固定できます。30秒の設定で、非常に大きな効果が得られます。

  5. 議事録作成を自動化する。 セッションを保存すると、商談で何語が話されたかに関係なく、AIノートが自社の言語で会議録を自動作成します。これがそのままCRMの入力データとなり、現地の言語を話せないマネージャーでもパイプラインの状況を正確にレビューできるようになります。

この商談のフロントに立つのは、「単にその言語を話せるから」という理由で8か月前に雇われた人ではなく、現場で反論を何百回も受けてきた「自社の本物のエキスパート」です。これこそが最大の強みです。

商談の形態によって詳細な進め方は異なるため、SaaSの商談輸出営業のフォローアップについて個別に解説記事を用意しています。

それでも現地のエキスパートを採用すべきケース

まずこのセクションを確認してください。これまでの内容が自社に当てはまるかどうかの判断基準になります。

完全な地域密着型のビジネス。 顧客が地方の小売店や家族経営の代理店である場合、ビジネスはオンライン商談ではなく「顔なじみの関係」で動きます。翻訳がスムーズだからといって、見知らぬ海外企業と初回面談を組んでくれる相手はいません。

物理的な対面が必要な業務。 フィールドセールス、工場監査、機器の据え付け、展示会ブースの対応などです。翻訳レイヤーには手も足もありませんし、パスポートも持っていません。

法規制が厳しく、契約書の比重が大きい営業。 公共入札、医療機器の認可、金融ライセンスなどです。法的な効力を持つ書類は現地で作成・確認する必要があり、翻訳ミスが重大なリスクにつながります。会話にはリアルタイム通訳を使い、署名する書類にはプロによる正確な翻訳を利用してください。

人間関係の構築そのものが前提となる市場。 最初の18か月間を会食や紹介の積み重ねに費やすような業界もあります。そうした会話をリモートで行うことはできても、「リモートで同じ場に出席する」ことはできません。

文字起こしへの同意が得られない相手先。 商談が通訳・文字起こしされる旨を伝え、相手の合意を得る責任は自社にあります。一部の顧客はこれを断る場合があります。

現地の新規リード獲得(パイプライン開拓)。 最もよくある勘違いです。はっきり言えば、通訳が解決するのは「商談の進行」です。「誰に連絡すべきか」を教えてくれるわけではありません。それを見つけるのは人間の仕事であり、現地採用を行う本当の目的はここにあります。

大まかな目安として、**「自社と顧客の会話を阻んでいるのが『言語だけ』なら、まだ採用してはいけない。自社と顧客の間を阻んでいるのが『市場そのもの』なら、採用すべきである」**と言えます。

このアプローチを取ることで、これらを一度に決断する必要がなくなります。まずは自社で直接商談を20件実施し、推測ではなく実際のデータに基づいて採用を進めてください。そうすれば、候補者に顧客像を説明してもらうのではなく、自社から候補者に対して具体的な顧客像を共有できるようになります。

FAQ

リアルタイム翻訳だけで本当に商談を成約できますか?

会話主導の商談であれば可能です。ただし、契約書や規制関連の提出書類については、専門の翻訳者による翻訳と現地の法務レビューを経る必要があります。商談と書類手続きは別々の課題です。

相手に違和感を持たれませんか?

思われているほど違和感はなく、事前の伝え方次第で大きく変わります。最初から「お互いに母国語で話せます」と伝えておけば、相手には配慮として受け止められます。本当に気まずいのは、お互いに無理をして拙い英語で会話し、商談がうまくいったふりをすることです。

いくつの市場にアプローチできますか?

Neweyは60言語に対応しており、料金は言語数ではなく字幕の利用時間に基づいているため、5つ目の市場へのアプローチも1つ目と同じコストで実施できます。1回の商談につき1つの言語ペアを使用し、スケジュールが許す限りいくらでも商談を設定できます。

会議の音声データはどこかに保存されますか?

ブラウザから取得した音声データは音声認識エンジンへ直接送信され、当社のサーバーを経由することはありません。セッション記録は、お客様が明示的に保存を選択した場合にのみアカウントへ保存されます。詳細はプライバシーポリシーをご確認ください。

現地の競合に負けてしまう場合はどうすればいいですか?

言語に関係なく、もともと失注していた案件もあります。通訳ツールが取り除くのは、「買い手がスムーズに意見を伝えられなかったために失注する」という特定の問題だけです。現地ベンダーに対する顧客の根本的な選好までを変えることはできません。

最初のステップとして採用が明らかに正しいのはどんな時ですか?

現地のネットワークから商談を生み出す必要がある場合、営業プロセスに対面が必須である場合、またはすでに十分な売上が立っており市場が存在することが確実である場合です。最後のケースであれば、採用はもはや不確実な賭けではありません。

まずは市場をテストしてみる

従来の手順では、市場について知る前にまず採用しなければなりませんでした。その順序を逆にしてみてください。自社の最も優秀なメンバーで商談を行い、専任チームを置く価値があるかどうかを市場自身に判断させるのです。

Neweyは、ブラウザ上でのリアルタイム翻訳字幕と、デスクトップ版ChromeまたはEdgeでの双方向ミーティング通訳を60言語で提供し、あらゆるWeb会議アプリに対応しています。今週中にでも、最初の海外商談をスタートできます。

何を見ていても、誰と話していても

相手が誰でも、どこにいても。自分の言語で世界中の人々とつながりましょう。